ただの高配当株じゃない?
みなさん、こんにちは!ゆずママです。
今日は、投資家の間でも「優待のハードルが高い(1000株!)」ことで有名な、あのFJネクストホールディングス (8935) を深掘りします。
「優待が遠いならパスかな…」
と思ったそこのあなた!ちょっと待ってください。
実はこの会社、11月に発表された最新決算で**「配当金の増額(56円!)」** を発表しており、さらに財務の中身を見ると**「不動産会社とは思えないほど借金が少ない(実質無借金経営)」** であることが判明しました。
今回は、2025年12月10日時点の株価と、最新の決算短信データ(2025年9月時点) に基づき、その「鉄壁の安全性」と「若き社長の正体」について、徹底的にメスを入れていきますよ~!
1. 驚愕の事実!「2011年から減配なし」&今回も増配!
まず、配当狙いの投資家さんに一番伝えたい朗報です。
FJネクストは、東日本大震災があった2011年3月期以降、一度も「減配(配当を減らすこと)」をしていません!
さらに、直近の決算発表で、2026年3月期の年間配当予想を**「56円」**(前期比+2円)に設定しました。
▼ 過去の配当実績(抜粋)と荒波への耐性
- 2011年: 12円(ここからスタート)
- 2013年: 20円
- 2021年: 44円(コロナショックでも維持!)
- 2024年: 52円
- 2025年(予): 56円
ゆずママチェック!
多くの企業が苦しんだコロナ禍でも配当を維持し、今回はさらに増配。「累進配当」を公言しているわけではありませんが、実績を見れば**「実質的な累進配当銘柄」**です。この実績は、長期保有する上で何よりの精神安定剤になりますね。
2. 【B/S分析】不動産会社なのに「ネットキャッシュ・プラス」!?
ここが今回の目玉!**バランスシート(貸借対照表)**を使って、会社の「お財布事情」を正確に見てみましょう。(※数値は2025年9月末時点のものです)
通常、マンションデベロッパーは巨額の借金をしてビルを建てます。しかし、FJネクストの最新データを見ると……?
▼ FJネクストのバランスシート解剖
| 項目 | 金額 | ゆずママの解説 |
| (A) 現金及び預金 | 216億円 | 金庫に入っている現金 |
| (B) 有利子負債 | 177億円 | 銀行からの借金(短期+長期) |
| (A) – (B) ネットキャッシュ | +39億円 | 現金の方が多い!(実質無借金) |
| 自己資本比率 | 69.6% | 不動産業界では驚異的な数値 |
これが意味すること:「倒産リスク」が極めて低い
借金(約177億円)を、手元の現金(約216億円)だけで今すぐ全額返済しても、まだ約40億円もお釣りが来る状態です。
さらに、すぐに現金化できる「販売用不動産(在庫)」なども含めると、資産はさらに膨らみます。
ゆずママのバリューポイント!
不動産銘柄で「ネットキャッシュがプラス」かつ「自己資本比率約70%」というのは、極めて稀です。
金利が上昇すると「借金の多い不動産会社」は経営が苦しくなりますが、現金持ちのFJネクストにとって金利上昇の影響は限定的。これが、この銘柄を「守りの要」として推奨する最大の理由です。
3. 経営者をチェック!40代若きリーダー「肥田恵輔社長」
こんな鉄壁の財務を率いているのは、肥田 恵輔(ひだ けいすけ)社長です。
- 年齢: 40代(若い!)
- 出身大学: 明治大学 商学部
- スタイル: 創業者のご子息ですが、現場から管理部門まで叩き上げられた実務派。
- 方針: 先代からの「財務規律」を守りつつ、時代の変化に合わせた柔軟な戦略を打ち出しています。
40代という若さで明治大学商学部出身らしい「実学」に基づいた経営センスを感じますね!
4. キャッシュフロー(CF)で見抜く「黒字倒産リスク」ゼロ
「利益は出ているのにお金がない」という不動産会社の罠。
でも、FJネクストのキャッシュフロー(CF)計算書を見れば安心です。
▼ 最新の中間期CFの動き
- 営業CF:△11億円(マイナス)
- えっ、マイナス? と思った方、大丈夫です!
- 内訳を見ると「棚卸資産(販売用不動産など)の増加」で約41億円を使っています。
- つまり、「将来売るためのマンション用地を、現金でしっかり仕込んでいる」 という攻めのマイナスなんです。
- 財務CF:△14億円(マイナス)
- 借金の返済や配当金の支払いをしっかり行っています。
借金に過度に頼らず、手元の豊富な資金で次の仕込みを行い、配当も支払う。このサイクルが正常に回っている証拠です。
5. 2025年12月10日時点の割安度チェック
それでは、最新データで「今、買いなのか?」を最終判定!
- 株価: 1,416円
- PER: 約7.0倍(1株益201.56円予想 から算出)
- PBR: 0.61倍(1株純資産2,309円 から算出)
- 配当利回り: 3.95%(配当56円 で計算)
PBR 0.6倍台ということは、「会社が解散した時に戻ってくるお金(純資産)」の6割程度の値段で株が売られているということ。
「実質無借金」の財務内容を考えると、この安さはバーゲンセールと言って良いでしょう。
6. まとめ:1000株優待は「ゴール」、まずは100株の「オーナー」へ
FJネクストは、1,000株(約140万円)保有しないと優待(高級温泉旅館利用券)がもらえない「ツンデレ銘柄」です。
しかし、
- 2011年から一度も減配していない&今期も増配(56円)
- 借金を即返済できる「ネットキャッシュ・プラス」の財務
- 利回り約4%、PBR0.6倍台の割安性
これだけの条件が揃っていれば、優待がなくても**「高配当な貯金」**代わりとして、NISA枠で100株持っておく価値は十分にあります。
配当をもらいながら、いつか株価が適正水準(PBR1倍=2,300円付近)になるのを待つ……そんな「負けない投資」をしたい方に、心からおすすめできる銘柄です!
※投資は自己責任で。ご自身の余剰資金で行いましょうね!

