鈴与シンワート(9360)は割安?PER6倍台・配当・隠れ資産を探る

🍊 ゆずママの銘柄探検室 | 東証スタンダード 9360

倉庫の会社だと
思っていたら、
主役はITでした。

鈴与シンワートの「安さの理由」を探そう。
低PER・配当・隠れ資産。その先にある、本当に見たい利益とは?

物流とIT、二つの顔を虫眼鏡で探る倉庫、ノートパソコン、柚子の案内役を描いた説明用イラスト。実際の施設や人物ではありません。 ?

検証日: / 株価基準:前営業日終値 2,736円
業績:2026年3月期実績・2027年3月期1Q実績と会社予想。株価・数値は自動更新されません。

事実・実績会社予想記事の仮定・計算

まず30秒。この銘柄の面白さと宿題

利益から見る

6.49倍

予想PERは低め

ただし、会社予想EPSが続くかどうかが、割安判断の分かれ道。

配当から見る

4.39%

予想配当利回り

年間120円予想で計算。配当はうれしいけれど、株価下落の防波堤とは限りません。

変化から見る

新体制

次期中計に注目

新しい戦略が、受注・利益率・キャッシュにどう表れるかを追います。

この記事の見立て:注目継続。次の決算で本業の回復を確かめたい。

「低PERだから買い」と即断するには、1Qの営業赤字が気になります。一方で、収益力の実績、増配予想、不動産の含み益には調べる価値があります。TOBが起きなくても納得できるかを軸に、順番に見ていきましょう。

出典:[1] 1Q短信・[2] 有報・[3] 株価。PER=2,736÷421.80、利回り=120÷2,736×100。評価は本記事の考察です。

01物流の看板。その奥には、ITの仕事場。

「鈴与」と聞いて、倉庫やトラックを思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。でも、鈴与シンワートを物流だけの会社として眺めると、大きな部分を見落とします。2026年3月期は売上高の約83%が情報サービス事業でした。

2026年3月期の売上構成外部顧客売上高206.70億円のうち、情報サービス171.23億円、82.84パーセント。物流35.47億円、17.16パーセント。連結売上高 206.70億円情報サービス 82.84%17.16%💻 情報サービス 171.23億円🚚 物流 35.47億円売上構成比。利益構成比ではありません。端数は四捨五入。
狭い画面では図を横にスクロールできます。外部顧客への売上高で比較。1Qだけの数字と通期の数字を混ぜないようにしています。

システム開発

企業の業務を動かすシステムをつくり、運用を支援する仕事。受注量、開発単価、技術者の稼働、採算管理が利益の鍵です。

HCM・クラウド

HCMは人事・人材管理のこと。人事・給与まわりの導入支援や保守、運用、クラウドなど。毎月使う業務との接点が魅力ですが、すべてが自社SaaSではありません。

物流

倉庫・港運・陸運を担うもう一つの柱。取扱量だけでなく、人件費・燃料費・設備投資とのバランスも確認します。

ゆずママのひとこと

イメージするなら、「会社の裏側を支える仕事のデパート」。荷物を動かす仕事も、給与計算を動かす仕事もある。社名だけで売り場を決めつけないのが、銘柄探検の第一歩です。

ここは知りたい:HCM・クラウドの売上のうち、毎年続く契約収入はどれくらいか。新規導入で一度に入る収入と、保守・利用料などの継続収入が分かれば、来年の利益を考えやすくなります。開示のない比率をこちらで決めつけることはできません。

出典:[2] 有報 p5・69、[4] 会社のサービス紹介。事業を見る視点・例えは本記事の解説。

02営業赤字なのに、最終利益は3.5倍。なぜ?

決算の見出しに「純利益245.5%増」とあれば、思わず二度見しますよね。でも、そのすぐ隣には営業赤字。これは誤植ではありません。「本業の成績」と「資産を売った利益」は、別の引き出しに入っているからです。

2027年3月期1Q=2026年4〜6月 / 連結・億円
項目前年1Q今回1Q読みどころ
売上高44.8643.24前年同期比 −3.6%
営業利益1.17−0.95本業は赤字に
経常利益1.46−0.73通常の収益も厳しい
投資有価証券売却益—3.58資産売却の特別利益
親会社株主に帰属する純利益0.822.84前年同期比 +245.5%
① 本業の箱

営業利益 −0.95億円

受注環境と費用負担の影響を受けた成績。

② 資産売却の箱

証券売却益 3.58億円

投資有価証券の売却で生まれた利益。

③ 最後の箱

純利益 2.84億円

営業外損益・その他特別損益・税金も反映した結果。

3つの箱は利益の種類を示す概念図です。①+②だけで③になるわけではありません。

「投資したから赤字」で、話を終わらせない

会社は、システム開発の受注環境が厳しい一方、人財・IT・研究開発などへの成長投資を続けていると説明しています。数字では、前年1Qから粗利益が0.66億円減り、販管費が1.46億円増加。両方で営業利益が2.12億円悪化しました。決算説明資料で示す成長投資の増加分は1.24億円(人財採用・教育0.62億、IT・設備0.54億、研究開発等0.08億)。これは原価や販管費の増減に含まれる内数で、さらに上乗せして足す数字ではありません。

1.17 − 0.66 − 1.46 = −0.95億円前年営業利益 − 粗利益減 − 販管費増 = 今回営業利益

種まきは大切。でも、水と肥料を増やしただけでは、実はなりません。採用した人が案件に入る、提案が受注になる、開発効率が上がる。投資が売上と利益に戻ってくる場面まで見て、初めて評価できると考えます。

出典:[1] 1Q短信 本文p2・6、[7] 決算説明資料p5。販管費増の全額を成長投資とみなしていません。金額は百万円表示から換算。

03PER6倍台。「安い値札」の裏をめくろう。

PERは、株価が1株利益(EPS)の何倍かを示すもの。2,736円を会社予想EPS421.80円で割ると、約6.49倍です。数字だけなら目を引きますが、分母の利益が減れば、同じ株価でもPERは上がります。

株価2,736円を固定した感応度分析 / 下2行は記事の仮定
EPSの置き方EPSPER
会社予想どおり421.80円6.49倍
会社予想より20%低い337.44円8.11倍
会社予想より30%低い295.26円9.27倍

この20%・30%は業績予想ではありません。「利益の見積もりに少し余裕を持たせたら、割安感はどれくらい残る?」という練習です。投資有価証券売却益は税引前の数字なので、そのままEPSから差し引く計算も避けます。税効果や会社の通期予想への織り込みを確認する必要があります。

ROE21.6%は魅力

2026年3月期の実績です。株主の資本を使って利益を生む力を見る指標ですが、前年の実績が翌年も続くとは限りません。

PBRは1倍を上回る

2026年3月末BPS1,929.42円を使うと約1.42倍。典型的な「PBR0.5倍の資産株」とは、割安さの根拠が異なります。

今回のバリューは「利益の持続力」

「どれだけ安いか」だけでなく、「その安さを測った利益は、来年も使えるか」。ここを見抜くと、値札を見る投資から、中身を見る投資に一歩進めます。

出典:[1]・[2] p2・[3]。PBRは通期BPS基準。2026年6月末の純資産から概算すると約1.43倍で、基準時点により差が出ます。

04通期17億円。そのゴールまで、あといくら?

前期2026年3月期は、売上206.70億円、営業利益17.45億円と、それぞれ前期比8.1%増・25.0%増でした。今期は、その成長後の利益水準を維持・再現できるかを見る局面です。

前期は第4四半期だけで年間営業利益の約63%を稼いでいました。後半に利益が集中する傾向は、過去の数字でも確認できます。会社は、1Qが概ね当初計画どおりと説明し、下半期に重点を置いた通期予想を据え置いています。ここで「なら大丈夫」と終わらず、ゴールまでの距離を数字にします。

会社予想・通期

220億円

売上高

会社予想・通期

17億円

営業利益

会社予想・通期

12億円

親会社株主に帰属する純利益

前期の営業利益は第4四半期に集中2026年3月期の四半期営業利益は第1四半期1.17億円、第2四半期2.96億円、第3四半期2.28億円、第4四半期11.02億円。縦軸は億円、0から12。億円048121.172.962.2811.021Q(4〜6月)2Q(7〜9月)3Q(10〜12月)4Q(1〜3月)
2026年3月期の四半期単独実績。狭い画面では横スクロールできます。四半期表示額の切捨てにより合計は通期17.45億円と一致しません。前年の季節性は今期回復の保証ではありません。
17.00 −(−0.95)= 17.95億円通期予想 − 1Q実績 = 残り9か月で必要な営業利益

これは下期6か月ではなく、7月から翌3月までの9か月で必要な数字です。四半期を単純に4倍して判断するのも、後半に必ず回復すると決めるのも早計。中間決算では、受注と稼働の改善が、どれくらい利益に近づいたかを見ます。

なお、会社予想の営業利益17億円は前期比2.6%減、純利益12億円は11.1%増です。「今期は全部の利益が増える計画」ではないことも、押さえておきたいポイントです。

出典:[1] 表紙・本文p3、[7] 決算説明資料p7。17.95億円は公表値からの単純差額。

05配当120円はうれしい。でも「保険」ではない。

年間配当は2025年3月期90円、2026年3月期110円、2027年3月期は120円予想。2,736円で100株なら購入額は27万3,600円、予想年間配当は税引前1万2,000円です。

1株配当の推移2025年3月期90円、2026年3月期110円、2027年3月期会社予想120円。縦軸は円、0から150。円/株050100150901101202025年3月期2026年3月期2027年3月期(予想)
狭い画面では図を横にスクロールできます。点線の棒は会社予想。実績と予想を分けて表示しています。

配当の余力を考える

120円÷予想EPS421.80円=約28.45%。連結予想EPSで単純計算した配当性向です。会社が示す配当政策の目標値と同じ意味ではありません。

下がったときも考える

株価が20%下落すると、100株で5万4,720円の評価損。配当120円が続いても、税引前配当の約4.56年分です。

配当を受け取りながら待つ投資には魅力があります。ただし、待つ間に本業が弱くなったり、減配したりすれば話は変わります。「配当があるから放置」ではなく、配当の原資が育っているかを確認しましょう。

出典:[1]・[2] p3。100株の購入額・配当・評価損は手数料と税金を除いた計算例。

06有報の奥に、約15億円の「差額」を発見。

資産バリュー派なら、有価証券報告書の不動産注記は見逃せません。2026年3月末の賃貸不動産等について、帳簿に載る金額は30.32億円、時価は45.27億円。差額は14.95億円です。

45.27 − 30.32 = 14.95億円開示された期末時価 − 連結貸借対照表計上額
2026年3月末の数値で揃えた参考計算
見方計算参考値
帳簿上の純資産公表値54.89億円
税引前の含み益を加算54.89+14.9569.84億円
1株当たりに換算69.84億÷2,844,942株約2,455円
仮に含み益へ30%の税負担(54.89+14.95×70%)億÷同株数約2,297円
これは「この金額で換金できる」という約束ではありません。

含み益は現金ではなく、売却の実施・時期・価格も未定です。事業で使う不動産なら、手放した後の収益への影響もあります。30%は感応度を見るための仮定税率で、実際の税額ではありません。売却費用や清算費用も未反映です。

2,736円は、税引前の参考値約2,455円に対して約1.11倍、30%税負担を仮定した約2,297円に対して約1.19倍です。「隠れ資産がある」は魅力でも、「株価の底が決まった」とは言えないという距離感が大切です。

もう一歩:時価総額と純資産を比べるときの株数

一般的な時価総額は、発行済株式300万株×2,736円=82.08億円です。一方、BPSには自己株式155,058株を除く2,844,942株を使います。同じ株数で資産価値と比べるなら、自己株式控除後の株式価値は約77.84億円。分母を揃えれば、見た目だけの割安さをつくりにくくなります。

出典:[2] 有報 p2・66、株式数は[1]。株数は2026年3月末と6月末で同数。純資産は百万円表示の公表値を使用するため概算。二重計上を避け、時価45.27億円全額ではなく差額のみ加算。

07お財布チェック。「現金」と「貸したお金」は別。

2026年6月末の現金及び預金は20.98億円。借入金とリース債務の合計を差し引いても、現金は上回っています。財務を評価する材料になりますが、全額が自由に配当できる余剰資金という意味ではありません。

2026年6月末・連結 / 億円
項目金額読み方
現金及び預金20.98手元の資金
短期・長期借入金合計4.641年内返済分も含む
リース債務合計6.89流動・固定を合算
現金 − 借入 − リース9.45上記3項目だけの差引額
短期貸付金7.60現預金には含めない

資金は給与、設備、税金、仕入れなどにも必要です。退職給付に係る負債19.46億円など、上の簡易差引に入れていない負債もあります。「現金が多い=すべて株主に返せる」ではありません。

有報では、2026年3月末に鈴与ホールディングス向け短期貸付金9.03億円が開示されています。確認したいのは、その金利・資金を置く理由・回収の条件。なお、6月末の短期貸付金7.60億円は相手先別の内訳が示されていないため、全額を同社向けとは断定しません。

出典:[1] 本文p4〜5、[2] p72。9.45億円は記事の簡易計算で、企業価値評価用の調整済みネットキャッシュではありません。

08新社長は期待の入口。ゴールは数字の変化。

本多正樹社長は、NTTデータ、リコー、日本マイクロソフトなどでの経歴を持ち、2026年6月に社長に就任しました。会社は新たな事業戦略・中期経営計画を策定中と説明しています。ITと事業戦略をつなぐ経験が、どこで生きるのか。ここは楽しみな部分です。

期待①

受託から提案へ

「何人、何か月」で売るだけでなく、課題解決の価値を単価や利益率にできるか。

期待②

AIを現場の利益へ

開発時間の短縮が、品質維持と採算改善につながるか。AIという言葉だけで評価しない。

期待③

中計を測れる計画へ

売上・利益だけでなく、投資額、回収時期、継続収入、資本配分が具体化するか。

AIは追い風と向かい風の両方を持ちます。開発の効率化が進む一方、お客様の内製化や必要工数の減少で、従来の受注が変わる可能性もあります。会社の生産性が上がっても、売価がそれ以上に下がれば、利益は増えません。

「すごい経歴」の次に、見るもの

新しい料理長が来たら、メニューは気になります。でも、お店がよくなったかは、味とお客様の反応で分かる。会社も、経歴の次は受注と利益。期待は、答え合わせまでセットです。

出典:[2] p32、[5] 会社概要、[1] 本文p2。具体的な次期中計の発表日・目標値を本記事では断定していません。

09TOBは「おまけ」に置けるか?

有報によると、親会社である鈴与の議決権被所有割合は、間接保有を含め51.18%です。そのうち50.54%が間接保有。鈴与が株式の51.18%を直接保有している、という意味ではありません。

考えられる魅力

グループでIT・物流の連携を深める中で、資本関係の見直しが検討される可能性はあります。これは投資家が考える仮説です。

決められないこと

保有比率だけで、TOBの実施・時期・価格は分かりません。不動産込みの参考BPSが、買付価格の下限になるわけでもありません。

TOBは公開買付けという取得の方法、MBOは経営陣が関与する買収の形を指します。親会社が買うというだけでMBOとは呼びません。本記事はTOBの実施を示す確定情報を根拠としておらず、発生確率も置いていません。

自分に聞きたい一問:「TOBが3年間なくても、この会社を持ちたい?」

答えが「いいえ」なら、投資の主役は事業ではなくイベントかもしれません。事業の価値とイベントの期待を分ければ、何を待っているのかがはっきりします。

出典:[2] 有報 p7・72。TOBの可能性に関する記述は記事の考察であり、会社の計画ではありません。

10株価実験室。利益と評価を動かしてみよう。

株価を一つだけ予想すると、その数字に気持ちが引っ張られます。ここではEPS(稼ぐ力)×PER(市場の評価)を別々に変えて、条件によって結果がどう変わるかを確かめましょう。

記事独自の感応度計算 / 目標株価や会社予想ではありません

計算機能を準備中です。動かない場合は下の早見表をご覧ください。

計算条件を入力

仮定上の株価2,800円
比較株価からの騰落率+2.34%
1年分の配当込み単純収益率+6.73%
入力配当の利回り4.39%
仮定EPSに対する配当性向34.29%
比較株価と同じになるPER7.82倍

1年後に仮定上の株価となり、その間に入力した年間配当を1回分受け取るとした単純計算です。税金・手数料・再投資は含みません。予想収益率や確率ではありません。EPSが0以下の場合、PER法は使わず別の評価が必要です。

早見表:比較株価2,736円 / すべて記事の仮定
ケースEPS×PER計算株価年間配当1年配当込み
厳しい場合250円×6倍1,500円90円−41.89%
中間の仮定350円×8倍2,800円120円+6.73%
好条件の場合421.80円×10倍4,218円120円+58.55%

好条件の4,218円は、会社予想EPSを実現し、かつ市場がPER10倍で評価する場合の掛け算です。4,218円はこの2条件を置いた計算結果で、利益の実現も評価倍率も保証されません。厳しい場合の1,500円も下値の限界ではなく、さらに下がるケースはあり得ます。

また、期待した株価になるまで3年かかるなら、「1年分の配当込み収益率」を年率として使うことはできません。投資では価格だけでなく、時間もコストです。

計算式を確認する
  • 計算株価=仮定EPS×仮定PER
  • 騰落率=(計算株価−比較株価)÷比較株価×100
  • 配当利回り=年間配当÷比較株価×100
  • 1年分の配当込み単純収益率=(計算株価−比較株価+年間配当)÷比較株価×100
  • 仮定の配当性向=年間配当÷仮定EPS×100
  • 比較株価と同じになるPER=比較株価÷仮定EPS

11次の決算は、5つの「答え合わせ」。

会社IRカレンダーでは、次の中間決算は2026年11月10日予定です。「株価が上がった・下がった」より前に、投資仮説が進んだかを確認します。日程は変更される場合があります。

0 / 5 項目を確認 ※読書用の確認欄です。チェック数は買い推奨度を表しません。ページ再読み込みでリセットされます。

小型株のもう一つの注意点:買う前に、売れる量も見る。

10月14日の出来高は500株でした。これは1日だけの観測で、平均出来高ではありません。それでも、少ない売買で価格が動きやすい銘柄かどうかを考える入口になります。数週間の出来高、売買スプレッド、注文数量を合わせて確認したいところです。

出典:[6] IRカレンダー・[3] 株価時系列。チェック項目は本記事の分析視点です。

12ここが気になる。よくある疑問。

PER6倍台なら、割安と考えていい?

会社予想利益を実現し、その水準が続くなら、検討する価値のある倍率です。ただし低PERは、業績不安や流動性の低さを織り込んだ結果かもしれません。「低い」という観察と、「誤って安く評価されている」という判断は分けます。

ROEが高いのに、なぜ株価はもっと評価されないの?

ROEは過去の利益と自己資本の関係を示します。将来の成長率、利益の再現性、必要な投資、売買のしやすさまで一つで説明できません。高ROEだけで適正PERを決めることはできないため、複数の要素を確認します。

不動産の含み益を加えたBPSは、株価の下限?

下限ではありません。含み益が株主の手元へ届くには、売却や活用、配分などの行動が必要です。税金・費用・事業価値への影響もあるので、「換金できた場合の参考」として扱います。

配当120円は確定している?

2027年3月期の会社予想です。業績や資金需要、会社の意思決定によって変わる可能性があります。シミュレーターでは減配を仮定して、投資の見え方がどう変わるかも確認できます。

TOB期待だけで保有するのはどう?

イベントが起きない場合の業績・配当・売却のしやすさも説明できるかが重要です。本記事ではTOB価格や確率を置かず、本業で投資を続ける理由があるかを先に考えています。

次の決算で赤字なら、すぐ評価を下げる?

赤字という結果だけでなく、会社計画との違い、受注の方向、費用の性質、回復時期を確認します。一方で、説明が毎回「先行投資」にとどまり、改善の兆しが見えないなら、当初の仮説を見直す材料になります。

ゆずママの結論

13お宝かどうかは、次の利益が教えてくれる。

鈴与シンワートは、物流のイメージの奥に情報サービス事業があり、低PER、増配予想、不動産の含み益、新しい経営体制という見どころを持つ会社です。だからこそ、都合のいい材料だけで物語を完成させたくありません。

評価を上げたい変化

受注の回復が売上に表れ、採算も改善。成長投資の回収と、株主への配分が具体的に見えてくること。

見直したい変化

受注不振が続き、費用だけが増える。利益や営業CFが弱くなり、配当・通期計画の根拠も薄れること。

今の見方は「注目継続、買い判断は本業回復の確認とセット」。TOBというデザートがなくても、メイン料理で満足できるか。その目線で決算を追うと、銘柄研究はずっと面白くなります。

あなたは、どの変化を一番見たいですか?

「受注の回復」「新中計の具体策」「資本配分の改善」。気になったポイントを、ぜひコメントで教えてください。次の決算では、その答えを一緒に探しましょう。

14出典と計算の前提

本文の数値は、以下の公表資料を照合して掲載しています。添付の銘柄紹介資料を出発点に、株価基準と表現を再検証しました。会社予想と記事の仮定は区別し、出典不明の過去PER推移・同業比較は使用していません。

  1. 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月7日・PDF)
    表紙:業績・配当・通期予想。本文p2〜3:事業環境・中計・見通し、p4〜6:財務諸表。本文ページは表紙等を除く会社のページ表記。
  2. 第79期 有価証券報告書(2026年6月23日提出・PDF)
    p2〜3:主要指標・配当、p5:事業内容、p7:親会社、p32:本多氏の略歴、p66:不動産、p69:セグメント、p72:関連当事者。こちらはPDF表示ページ。
  3. Yahoo!ファイナンス:9360の株価時系列
    2026年10月14日終値2,736円、出来高500株を確認。参照日2026年10月15日。ページは更新されます。
  4. 鈴与シンワート公式サイト:事業・サービス紹介
    システム・HCM・クラウド等の業務内容。
  5. 会社概要・役員 / 社長メッセージ
    現経営体制と事業の位置付け。
  6. IRカレンダー
    2026年11月10日中間決算予定。参照日2026年10月15日。
  7. 2027年3月期 第1四半期決算説明資料(2026年8月7日・PDF)
    本文p5(PDF6頁):成長投資の増加、本文p7(PDF8頁):四半期業績の推移。
数値の丸め方・評価上の前提
  • 金額は原則連結。億円表示は公表百万円から換算。会社公表の増減率は元データの端数により、掲載額からの単純計算と小差が出る場合があります。
  • PERは会社予想EPS421.80円、配当利回りは会社予想年間配当120円で計算。PBRは2026年3月期BPS1,929.42円で統一。
  • ROE21.6%は2026年3月期実績で、将来の約束ではありません。
  • 資産調整には2026年3月末の純資産と不動産時価を使用。最新四半期と混合していません。含み益への30%税負担は仮定です。
  • 株価シミュレーションのEPS250円・350円、PER6倍・8倍・10倍、配当90円等は記事独自の入力例。選択ケースに確率は付けていません。421.80円と120円は会社予想を用いますが、倍率や将来株価は会社予想ではありません。
  • 本記事は公開情報に基づく銘柄研究です。価格上昇・配当・TOBを保証するものではなく、投資判断では最新開示とご自身の資金計画を確認してください。
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