YUZU MAMA’S MONEY NOTE 保存して読み返す、お金の教室
国債、
はじめの一歩。
利息はいくら? 途中で使える?
3つの個人向け国債と、お金が戻る仕組みを図解します。
こんにちは、ゆずママです。
「預金より少し利息を増やしたい。でも、値下がりはこわい」。そんなときに知っておきたいのが国債です。
ただし、国債という名前が同じでも、途中でお金に戻す仕組みは同じではありません。この記事では、初めての方が検討しやすい「個人向け国債」を中心に、順番に整理します。
記事全体の目次を開く 全9章+出典
01 / お金の流れがわかる
債券は「お金を貸す」仕組み。
国に貸すものが、国債です。
債券は、国や会社などがお金を借りるために発行します。買った人は、決められた条件で利息を受け取り、満期には額面のお金を受け取ります。会社が発行するものは社債、日本国が発行するものは日本国債です。
購入代金を払う
利息を受け取り
満期に額面が戻る
利払いと償還は発行条件に従います。債券全般には、発行体が約束どおり支払えなくなる信用リスクがあります。
額面
満期に返すと決めた金額。市場で買う価格と同じとは限りません。
利率
額面に対して支払う利息の割合。「年2%」は1年分の率です。
満期・償還
返す約束の日が満期。額面を返すことを償還といいます。
100万円・年2%なら、利息はどう届く?
固定利率の3年債を額面どおりに買う、説明用の例です。年2%なら税引前利息は年2万円。半年払いなら、1回1万円が6回届きます。
年2%は仮定。税・費用を除く、約束どおり支払われる場合の例です。最後の利息1万円は「6回」の中に含み、二重に数えません。
半年ごとの利息は受取口座に入ります。国債の元本に自動で足されて複利運用になるわけではありません。利息も運用したい場合は、別途、再投資を考えます。
02 / 3つの選択肢
個人向け国債は、
「変動」か「固定」かで整理。
個人向け国債は、個人が購入できる国債です。3タイプとも1万円から1万円単位で購入でき、利子は年2回。満期時は額面100円につき100円で償還されます。
変動10年
利率を半年ごとに見直し。金利上昇を取り込める一方、低下すれば受取利息も減り得ます。
- 満期
- 10年
- 利率の決まり方
- 基準金利 × 0.66
基準金利は所定の10年固定利付国債の平均落札利回り。
公式の商品概要[2] ↗固定5年
発行時の利率が満期まで続きます。将来受け取る利息の見通しを立てやすいタイプです。
- 満期
- 5年
- 利率の決まり方
- 基準金利 − 0.05%ポイント
基準金利は所定の5年固定利付国債の想定利回り。
公式の商品概要[3] ↗固定3年
利率を固定し、3年で満期を迎えます。固定5年との利率差と、使う時期を比べます。
- 満期
- 3年
- 利率の決まり方
- 基準金利 − 0.03%ポイント
基準金利は所定の3年固定利付国債の想定利回り。
公式の商品概要[4] ↗3タイプ共通最低金利は年0.05%。発行後1年を過ぎれば、所定の利子調整を伴う中途換金ができます。
「変動ならいつも有利」「固定5年がいつも最高」ではありません。
固定は金利が下がっても契約時の利率が続く一方、金利が上がってもそのままです。変動は見直しの時期と計算式があるため、市場金利の上昇が即座に同じ幅で反映されるわけではありません。今の利率と将来の変化、両方を考えます。
参考:2026年10月募集分の利率 募集回を固定した記録
税引前年率です。変動10年は初回の適用利率であり、10年間続く利率ではありません。
募集期間:2026年10月8日~30日/発行日:2026年11月16日。2026年10月29日に公式ページを確認。別の募集回には使えません。
購入前に、財務省で最新の募集条件を確認する ↗03 / ここがいちばん大切
「10年満期」と
「10年間取り出せない」は違います。
個人向け国債は、第2期利子支払日(発行から1年経過)以降、原則いつでも国の中途換金制度を使えます。変動10年も、固定5年も、固定3年も同じです。購入した一部だけを額面1万円単位で換金することもできます。[5]
生活費・急な出費用のお金は別に確保。
直前2回分の税引後利子相当額を差し引く。
中途換金調整額はかからない。
保有者の死亡や、対象となる大規模な自然災害には特例があります。発行日と申込日は異なるため、起算日に注意。
1年で換金すると、利息はおおむねゼロ。
中途換金では、直前2回分の利子(税引前)に0.79685を掛けた金額が差し引かれます。通常の税率20.315%を反映すると、直近1年分の税引後利息に相当する調整です。
− 中途換金調整額調整額=直前2回分の各利子(税引前)相当額 × 0.79685
振込額だけを見ると、元本より少なく見えることも。
100万円・年2%が続き、1年の利払直後に換金する単純例では、受取済みの税引後利息が約15,937円、換金時の受取額が約984,063円。合計すると100万円です。すでに受け取った利息を含めて確かめましょう。
初回利子の調整、経過利子、税の端数処理等を省いた概算。実際の入金額は取扱金融機関で確認してください。
また、換金できる時期に入っても、申込当日に現金が使えるとは限りません。受渡日・申込時間・休業日を確認します。「明日の支払いに必要」というお金は、最初から取り出しやすい預金に置いておくと管理しやすくなります。
出典:財務省Q&A[5]。実際の銘柄・換金日は財務省の中途換金シミュレーションでも確認できます。
04 / 手取りで考える
100万円の利息、
実際に残るのはいくら?
一般的な課税扱いでは、国債の利子から20.315%の税金が差し引かれます。手取りの目安は、税引前利息 × 0.79685。非課税制度の適用がある場合などは扱いが異なります。[1]
ためして納得
利息と中途換金のかんたん計算
金額・仮定の利率・受け取る時期を変えて、違いを見てみましょう。初期値の年2%は説明用です。
累計で残る税引後利息
15,937円
2年で換金する例。約1年分の税引後利息が残ります。
固定利率・半年払い・利払直後の換金・税率20.315%を仮定。初回利子の調整、日割り、端数処理、口座費用、再投資を省略。変動10年の将来利息を予測する機能ではありません。入力内容は送信・保存しません。
入力せずに見る:100万円・年2%の比較
| 受け取る時期 | 累計利息 | 換金調整 | 残る利息 |
|---|---|---|---|
| 1年で換金 | 15,937円 | −15,937円 | 0円 |
| 2年で換金 | 31,874円 | −15,937円 | 15,937円 |
| 3年の満期 | 47,811円 | なし | 47,811円 |
上の計算機と同じ仮定。満期保有には中途換金の調整がありません。
利率の差も金額にすると判断しやすくなります。100万円で年0.10%ポイントの差なら、税引後で年約797円。金利だけでなく、口座の費用や使い勝手も一緒に比べましょう。
05 / 同じ国債でも、ここが違う
金利が上がると、
債券価格が下がるのはなぜ?
市場で売買する固定利率の債券を考えます。新しく買う債券の条件が良くなると、以前の低い利息の債券は、値段が下がらないと買ってもらいにくくなります。同じ信用力・通貨などの条件なら、市場の利回りが上がるほど、既存の固定債の価格は下がる関係があります。[8]
逆に、市場の利回りが下がれば価格は上がる方向。信用力など他の条件が変わらない場合の関係です。
動かして見る
満期までの長さで、値動きは変わる
額面100・利率年2%・半年払いの債券。残存3年・10年・30年を、同じ利回りで比べます。
額面100あたりの価格/利回り2%・価格100との比較。各利払直後、一定の利回りで割り引くモデル。税・費用・信用リスク・経過利子を除き、半年複利で計算。将来予測ではありません。
この値動きの図は、個人向け国債の中途換金額には当てはめません。
個人向け国債と、新窓販国債の「出口」を比べる
新窓販国債は、市場で取引される利付国債を購入する窓口販売の仕組みです。一般に2年・5年・10年の固定金利型があります。「新しいから安全」という意味ではありません。
| 比べる点 | 個人向け国債 | 新窓販国債 |
|---|---|---|
| 購入単位 | 1万円から1万円単位 | 額面5万円から5万円単位 |
| 購入価格 | 額面100円につき100円 | 募集ごとに決まる。100円と異なる場合も |
| 満期前の換金 | 原則1年後から国が買い取り。利子を調整 | 市場価格で売却。利益・損失が発生し得る |
| 満期の償還 | 額面100円につき100円 | 額面100円につき100円 |
新窓販国債には個人向け国債と同じ中途換金制度はありません。売却の可否・日数・条件は取扱先で確認。出典:財務省[7]。
もう一歩:利率と利回りは、同じ?
額面100円・年間利息2円の債券を90円で買っても、表面利率は2%のままです。一方、買値に対する年間利息は2÷90=約2.22%。これが直接利回りです。
さらに満期まで持つ場合は、償還金と買値との差、残りの期間も関係します。比較するときは最終利回りの税引前・税引後、単利・複利の区分をそろえます。額面100円を102円で買えば、満期の償還金100円だけでは購入代金を下回ります。利息を含む全体で判断します。
06 / あなたのお金に、予定表を
商品を選ぶ前に、
使う時期を3つに分けよう。
1年以内に使う・急に必要になる
生活費、税金、車の購入費、急な支払いなど。取り出しやすい預金を中心に、必要額を確保します。個人向け国債の最初の1年とは相性がよくありません。
1年以上使わないが、時期は未定
個人向け国債を候補に、利率の変化を受け入れるか、固定するかを比較。早めに換金すれば残る利息は小さくなることも織り込みます。
3年後・5年後など、予定が決まっている
必要な日より前に満期が来る商品を比べます。個人向け国債、定期預金などの税引後利息・満期日・中途換金条件を同じ表に並べると選びやすくなります。
買う時期を分ける方法もあります。一度に全額を同じ条件へ固定する負担を減らせますが、個人向け国債はそれぞれの発行分に1年間の換金制限が生じます。積み立てればすべてのお金がすぐ使える、ということではありません。
地域限定の参考:愛知商銀「みらい定期預金」愛知・三重エリアの方向け
全国向けの国債とは別に、地域の預金も比較材料になります。愛知商銀の「みらい定期預金」は、6か月経過後、最長3年まで満期扱いで払戻しできる商品として案内されています。
2026年10月29日確認の案内では、税引前年率は組合員2.20%・非組合員2.00%。募集総額に達すると終了します。居住・勤務先などの利用資格、来店、新規資金、預入金額、6か月未満の解約条件を公式資料で確認してください。[11]
預金と組合への出資金は別です。預金保険の対象となる一般預金等は、同じ金融機関の預金を合算して1人あたり元本1,000万円までとその利息等が保護されます。出資金は預金保険の対象ではありません。[10・12]
みらい定期預金の公式条件を見る ↗07 / 「安全」をひとことで済ませない
国債・社債・外債・投信。
同じ債券でも、リスクは違う。
返してもらえる?
国や会社の信用力。利息や元本が約束どおり支払われない可能性を確認。
売る価格は?
市場性の固定債は金利で価格が変動。長い債券は値動きが大きくなりやすい。
何の通貨で戻る?
ドルで増えても、円高になれば円換算では損をすることがあります。
いつ使える?
換金制限、売りやすさ、受渡日。元本の安定性と取り出しやすさは別。
債券の主要リスク:日本証券業協会[9]。
個人向け国債にも、物価上昇の影響はあります。
例えば税引後でお金が1%増えても、買いたい物の価格が3%上がれば、買える量は減ります。単純例では1.01÷1.03−1=約−1.94%。円の金額が保たれることと、購買力が保たれることは違います。変動10年も、物価上昇率に直接連動する商品ではありません。
米国債や外国債券は、日本国債の代わりになる?
円で使う予定のお金では、為替が大切です。150万円を1ドル150円で1万ドルに替え、ドル資産が4%増えても、換金時に1ドル135円なら140.4万円。円では6.4%減る計算です。
税・両替費用を除く仮定。為替ヘッジにはコストがあり、リスクを完全になくすものでもありません。
社債の高い金利には、どんな違いがある?
国債より高い利回りは、信用力、売りにくさ、契約条件などの違いを反映することがあります。同じ通貨・近い残存期間・同じ時点で比較します。銀行が発行する債券でも預金とは異なります。
特に劣後債やAT1債などは、返済の順位、利払い停止、元本削減・株式転換、満期の有無などが普通の社債と異なります。「銀行だから安心」と名前だけで判断せず、個別の発行条件を読める段階で検討したい商品です。[14]
「国債に投資する投資信託」も元本が守られる?
投資信託の基準価額は、保有する債券の市場価格や費用などで変わります。一般に、個別国債の額面償還と同じ仕組みで購入元本が戻るわけではありません。日本国債を持つ投資信託でも元本保証はなく、超長期債の値動きは大きくなり得ます。
債券・債券投信は預金保険の対象外です。預金、個別の国債、投資信託を区別し、保護の仕組みを確認します。
08 / 買うときに迷わない
購入までの、4ステップ。
- 1
金融機関を選ぶ
銀行・証券会社などの取扱先を確認。ネット対応、口座管理費用、換金手続き、入金先を比べます。同じ募集回の国債本体の条件と、金融機関独自の特典は分けて見ましょう。
- 2
国債を保有する口座を用意
既存の口座で買えるか、新たな手続きが必要かを確認。本人確認書類やマイナンバー確認書類など、必要なものは申込先の案内に従います。
- 3
募集期間・利率・発行日を確認
個人向け国債は毎月発行。申込日と発行日は違います。「いつから1年間換金できないか」まで確認して、金額を決めます。
- 4
利払日と、換金できる時期をメモ
購入後は、商品名・金額・発行日・利払日・満期を記録。変動10年は半年ごとの適用利率も確かめます。
金融機関ごとに手続き・費用・受付時間が異なります。購入を急がず、使う予定のあるお金を先に確保してください。
09 / 最後の「?」を解消
よくある疑問と、
買う前の確認リスト。
個人向け国債は、NISAで買えますか?
2026年10月29日の確認時点では、個別の国債・社債はNISAの対象ではありません。債券に投資する一部の投資信託が対象になることとは別の話です。制度変更の要望や検討段階の話を、実施済みとして計算しないようにしましょう。[13]
変動10年と固定5年、どちらが正解?
将来の金利は確定していません。金利の変化を受け入れるなら変動、受取利息を固定したいなら固定という違いを押さえ、実際の募集利率と使う予定で比較します。迷う場合は購入額や時期を分ける選択肢もあります。
元本が安定しているなら、生活費も全部入れてよい?
最初の1年間は原則換金できず、その後も入金までの時間がかかります。病気・修理・納税などに備えるお金と日々の支払い資金は、取り出しやすい形で別に残します。
預金保険の1,000万円ルールは国債にも適用される?
国債は預金ではないため、そのルールの対象ではありません。日本国が利払い・償還を行う仕組みです。国債を管理する金融機関の破綻と、発行体である国の信用リスクは区別します。振替国債の権利は口座簿の記録により保護されます。[5・7]
定期預金と比べるときは、どこを見る?
同じ金額・同じ期間での税引後利息、途中で使う場合の扱い、元本の保護範囲、口座費用、利用資格を比べます。「年利」を半年分の利益と取り違えず、キャンペーン条件や募集終了にも注意します。
買う前に、5つだけ確認
チェックはこのページ内の確認用です。結果は保存されません。
確認済み 0 / 5
ゆずママから
お金にも、
帰ってきてほしい日がある。
利息がいくら付くかだけでなく、必要な日に、必要なお金を使えること。その両方がそろって、暮らしに合った運用になります。
今日の一歩は、使う予定を書き出すこと。そこから国債の3種類を比べれば、金利の数字に振り回されずに選びやすくなります。
もう一度、3種類を比べる ↑
